大気のないむき出しの水星
太陽系の惑星の中で唯一大気が無い水星。
大気のある星(我らが地球などは)は重力で大気を留めています。
、、、?
水星には重力はないのでしょうか?
もちろん水星に重力はあります。ではなぜ、水星だけ重力で大気を留める事ができないのでしょうか?
探査機メッセンジャーが撮影した水星 提供 : NASA
大気を留めておけるしくみ
そもそも、どうして大気は星に留まっているのか?
それは前述したように重力で引っ張っているからです。
言い換えると、その星の重力で引っ張れる大気のみが残っているという事です。
重力で留めておくという事は、外に出ようとする速さより早く引っ張るという事。
外に出れる速度の事を【脱出速度】と言います。
宇宙船が星の大気圏外に出るにはこの脱出速度か必要になります。
(因みに地球の脱出速度は約11.2km/s(40,300 km/h)です)
脱出速度はその星の重力によって様々なのです。
水星に大気が無い理由
水星は地球に比べて重力は確かに小さいですが、同じ大気のある火星も同じ位の重力です。
では何が違うのか?
それは温度です。
水星は太陽系の惑星の中で最も太陽に近く、高温です。
高温になると、大気を形成している窒素などの分子の動く速さが早くなります。
その結果、水星の脱出速度を超えて、宇宙空間に放出されてしまったという訳です。
因みに、太陽に近い水星ですが、その地表温度は日中は約430℃まで上がります。
しかも、大気が無いせいで熱を留めておけず、夜になると今度は約-180℃まで下がります。
太陽に近く灼熱の惑星と思われがちですが、大気が無いとこんなに冷えてしまうんですね。
約5000万km離れたお隣の惑星は金星ですが、こちらの方が大気があるおかげ?で最高温度は水星より30℃程高いんです。
生物が生存するには大気は必要です。
太陽との絶妙な距離。海の誕生。、、、。
様々な偶然が積み重なって、今僕たちが生きている訳なんです。
まさに奇跡ですね。