動いている人は年を取らない?光の不思議②

動いている人は動いていない人よりも年を取らない?
光速で移動中に手鏡を見たら自分は映るの?

謎が多い光の不思議、第2弾です。

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光速で移動中、鏡を見たらどうなる?

光の速さと同じ速度で移動しているとします。

そして、鏡を持って自分の顔を見た場合(進行方向に向って鏡を持つ)どうなると思いますか?

光の速さで自分が動いてるのだから自分の顔は鏡には届かないと思うかもしれません。(鏡に向かう自分の顔の光の速度と同じスピードで動いてるから)

しかし、実際、鏡には自分の顔がしっかり映るんです。

これは 光速度不変の原理と言って、アインシュタインの “相対性理論” で謳われています。

この原理は光の速さはあくまで一定(秒速 約30万㎞/s)
という原理で、動いてる “物” から発せられる光の速さは動いてる “物” から見た時も変わらないという事。

動いていようが止まっていようが光の見え方(速さ)は常に一定。

よって、高速で移動していても自分の姿を鏡で確認できるんです。

ウラシマ効果

『止まってる人より、移動し続けてる人の方が歳を取らない。』
こんな話しを聞いたことがあるかと思います。

実は、これは事実なんです。

過去に実験も行われています。

実験内容は、極めて制度の高い時計を2つ用意し、1つはテーブルの上に。もう1つは飛行機の中に持ち込み、長時間フライトし移動し続けるというもの。

着陸後時計を見比べると飛行機で長時間移動した時計の方がわずかに遅れていたんです。

つまり、光速に近づくにつれて時間の進み方が遅れていくんです。

頭がこんがらがって来ますよね。

ここで一つ、僕がわかりやすいと思った、アインシュタインが行った仮想実験をご紹介します。

アインシュタインの仮想実験

想像してください。

“宇宙船があったとします。

その宇宙船の天井高は30万㎞(光が1秒で進む距離)あります。

そして、天井と床が鏡張りになってるとします。

床から天井に向けて光を放てば、1秒後には天井に着き、さらに鏡で反射してもう1秒後床に着くはずです。

1往復で丁度2秒の時を刻む光時計の完成です。

『写真  光の不思議②実験準備』

宇宙船が止まってる時、光時計の光の動きは宇宙船内の人も外の人も同じ光の動きを見ることができ、光時計が刻む時の流れは同じです。(当たり前のことですね)

しかし、いざ宇宙船が動き出すと話は変わってきます。

宇宙船が光速(光の速さ)で走行していると仮定し、その光速で動く宇宙船を地上の人が見る事が出来ると仮定します。(凄まじい動体視力です)

その場合、宇宙船内の人は地上の時と同じ様に光は真上に上がり反射して降りてくる。(電車の中でボールを真上に投げても手元に帰ってくるのと同じ。【慣性の法則】)

宇宙船内の人が見る光時計は一往復2秒です。

『写真 光の不思議②光速で移動』

では、地上から宇宙船を見ている超動体視力の人はどの様に光時計が見えているのか?

光には、【光速度不変の原理】というものがあると、上記《光速で移動中、鏡を見たらどうなるのか?》で説明しました。
光の速さはあくまで一定(秒速 約30万㎞/s)で進むんです。

宇宙船は確実に光速で動いています。光時計の光はまっすぐと天井に向かいます。
しかし実際は、宇宙船が動いてるので、進行方向に向かって斜めに上がって見えるはずです。

『写真 光の不思議②斜めにすすんでいるように見える』

斜めに上がるという事は、天井までの距離が長くなりますよね。

光の速さは一定なので、天井に着くまでの時間が1秒以上かかってしまうという事です。

解りやすく図を交えて説明すると、

宇宙船が1秒間に進む距離と天井高が同じなので、地上から見える光の軌道と距離、高さを結べば直角二等辺三角形が出来ます。

三平方の定理】により、直角二等辺三角形の辺の長さは、1:1:√2 になります。

よって、一番長い辺にあたる光の軌道の長さは、√2(1.41421356)倍になります。

『写真 光の不思議②三平方の定理』

地上から見ている人にとって、光時計の光が天井に到達するまでの時間は1.4秒以上かかって見えるという事になり、宇宙船内の人と地上の人とで時間の感じ方の差が出ました。

しかし、宇宙船を見てる人だけ時間を長く感じるなんて事はありません。地上で宇宙船を見てる人。同じ地上で、草むしりをしてるおじさん。この2人は同じ時間の流れのなかにいます。

という事は、宇宙船内にいて、光速で移動している人の時間の流れがゆっくりになったと言えます。

動いてない人の1秒より、動いてる人の1秒の方が1.41421356倍長い(時間がゆっくり)という事です。

このまま光速で60秒ぴったり走行してから地上に戻った時、地上では84.8秒経ってる事になり、その差24.8秒。

動いてた人が地上の人より24.8秒分歳をとってない事になりますよね。

まだいきます!
一年間(31536000秒)走行して地上に戻ると、44598211秒→516日→1.4年経ってる計算になり、その差151日。
帰ってくると半年近くの差が生まれるんです。

光、時間の流れの不思議。

凄いの一言です。

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