働きアリの2割は働かないでジッとしてるって知ってますか?
最盛期を迎えたコロニー(アリの巣)には多い時で10万匹以上の働きアリが居るのにその内2万匹も働かない!
なぜでしょう?
アリの習性
はじめに少し『アリ』についてお話します。
日本に住むアリは1種類ではありません。
なんと!日本には200種類以上のアリが生息しています。(どれも同じに見えますが 笑)
アリの住み家であるアリの巣はコロニーと呼ばれていて、その中には10匹から10万匹のアリが生息しています。
10匹から10万匹ってすごい差ですよね?
これは、毎年春過ぎに新しい女王アリが誕生して10匹程の働きアリを従えてコロニーを作り繁殖する習性があるからです。
女王アリはオス・メスの産み分けができます。
働きアリにはメスしかいないことはよく知られていることですね。
オスのアリは生殖の為だけにこの世に生まれます。
生殖の為だけに存在するオスのアリは数は必要ないので毎年少数だけ産み分けられています。
なんだかミツバチの生態と似ています。
アリの寿命は女王アリが10年以上生きるのに対して働きアリは1~2年程。
オスのアリはなんと!数か月の命なんです!
繁殖期に成体になるように産み落とされ、繁殖の後死んでしまう。(もしくは童貞で、、、)
同じ男として悲しい限りです、、、。
さて、本題です。
働きアリの2割は働かない理由
働かない働きアリ(メス)が存在していることは研究で明らかになっています。
働きアリの2割は全く働かないんです。
北海道大学の長谷川英祐 教授の研究で、人間と同様 アリも『やる気』の高い低いが個々によって違うことがわかっています。
働きアリの集団に『仕事』(餌など)を与えるとやる気のないアリは全く動こうとはしません。
決まってやる気のある個体から動き出します。
これにはちゃんと理由があります。
長谷川英祐 教授がおっしゃるようにやる気がないのも理由ですが、やる気がない『サボるアリ』も大事な役目があります。
働きアリだって疲れますし、ケガをするかもしれない。
下手すりゃ、ちびっこ達の悪気のない悪行で死んでしまう事もあります。
多くの働きアリが死んでしまったら女王アリを守れません。
そんな時は、補充要因の働かない働きアリの出番です!
働かない働きアリは、仲間が疲れたり死んでしまった時、すぐさま巣から飛び出して働き始めます。
クロオオアリという種類のアリは触角で仲間の体を触るだけで、何をしていたのか?疲れてないか?など様々な情報を得る事が出来ます。
働きアリ同士のコミュニケーション方法は種類によって様々ですが、触角を使ったり、フェロモンを分泌したり色んな方法でコミュニケーションをとって巣全体の状況を把握しています。
働かない働きアリを巣から取り除いたらどうなる?
働かない働きアリをコロニー(アリの巣)から取り除いたらどうなると思いますか?
補充要因を失ったコロニーは働きアリの100%が働いている事になり、不測の事態が起きれば働きアリ全滅も考えられる状況です。
どうするのか?
これが働きアリの凄い所!
なんと!働いていた働きアリの2割が急に巣に戻ってサボり始めるんです!
働きアリ同士、コミュニケーションを取り合って、巣の中には全体の2割程の働きアリを常駐させています。
逆に、働いている働きアリを何割か取り除いた時も同じで、補充要因のアリが全体の2割になるように働いていないアリが出動するんです!
言葉を持たないアリのコミュニケーション能力の高さに驚かされます!
因みにこの習性。
「働きアリの法則」と呼ばれ、人間社会でもよく用いられます。
ぜんぜん働かない社員(サボり組)を首にしたところで、社員全体の2割はサボる。という法則です。
サボってる人程、年配で自分より給料もらってる なんてことよくある話ですよね。(ほんとこの世は不平等だ、、、)
働きアリを見習うべきですね。