川中島合戦の上杉謙信の単騎での武田軍本陣強襲!
戦で数々の武功を立てた、水野勝成の数多くの逸話!
かっこいい逸話がいくつも残っていますが、本当にそんなことできたのでしょうか?
今回は戦国時代の戦(いくさ)の戦い方についてみていきます。
戦国時代の馬はポニー?
現在は絶滅の危機に瀕している「日本在来馬」(野間馬など)は、競馬などで見かけるサラブレッド(外国種)と比べて小柄でぽっちゃりしていて、駆けるスピードも遅いです。
サラブレッドの体高(肩まで)が150cm位なのに対して日本在来馬である野間馬は120cm程しかありません。

サラブレット 出典:Wikipedia

日本在来馬『野間馬』 出典:Wikipedia
外国種が輸入されたのは戦国時代よりもっと先。
ということは、ドラマなどでよく見るスラっとした大きな馬にまたがるカッコいい武将の姿は当時はなかった可能性が高いです。
本田忠勝の愛馬「三国黒」は?
前田利益の愛馬「松風」は?
大きいんじゃなかったの?
上杉謙信はポニーなんかで武田本陣に突撃したの?
やはり過言がそのまま伝わったんでしょうね、、、。
武田騎馬軍団の馬が全てポニーだったら、、、威圧感も半減しそうですね 笑
火縄銃って本当に強かったの?
火縄銃の射程に関する実験結果が残っていました。参照 : Japanese weapons.net
これによると、100mの距離から当時の本物の鎧を撃つと、鎧を貫通したとあります。
その弾丸の初速はなんと秒速480m/s!(拳銃の初速はおよそ350m/s)
実験者は命中率も考慮して、火縄銃の有効殺傷距離は100m!と結論付けています。
拳銃(ハンドガン)の有効射程50m程なので、威力は十分にあったと思われます。
しかも、火縄銃は火薬の量を増やせばその威力は増します。
射撃の名手が扱えば火縄銃の有効殺傷距離はもっと伸びるでしょう。
火縄銃は日本中にまたたくまに広がり、(日本は有能な鍛冶職人がたくさんいた)戦国時代末期になるとその量は日本全土で50万丁以上にものぼり、世界最大の銃保有国でした。
因みに、現代で最も威力のある銃、
『アンチマテリアルライフル バレットM82』
の有効射程は2000m!
(もちろん!アメリカ産。なんて恐ろしいもの作ったんだ、、、。)
刀で敵をバッサバサ!?そんなことできるの?
ゲームや歴史ドラマなんかで、バッサバッサと敵を切り倒し本陣に乗り込むようなシーンがありますが、実際そんなことできたんでしょうか?
戦っている兵達は皆、具足(よろい)を身に着けています。
超軽量化で機動性のみを重視した足軽でさえ腹当(胴)は身に着けていました。
しかも、この具足。なかなか固い!(当たりまえですが)
は下っ端の足軽のものでも2mm程ですが鉄の板が入っています。
しかも、その上から何層も漆を塗って強化したものです。
日本刀で切れないのか?
といわれれば切れますが、何人もバッサバッサとはいきません。
なぜなら、敵を切り倒すことによって刀に“血”が付着します。
人を切るわけですから皮下脂肪も付着します。
血や油のついた刀の切れ味は綺麗なものと比べると格段に落ちます。
魚をさばく板前さんなんかも、調理の最中に何度も包丁を布で拭きますよね。
あれは、包丁に着いた魚の油で切れ味が悪くなるので拭いているんです。
つまり、数人敵を倒すと日本刀はあまり役に立たなくなるんです。
では、どうするのか?
戦(いくさ)での敵の倒し方
鶴翼の陣等の陣形を用いたり、伏兵を忍ばせたり、挟み撃ちにしたり、横槍を突いて混乱させたり、、、、。
様々な戦術があったことが伝わってますが「野戦」(関ヶ原の合戦などのいわゆる城攻め以外のいくさ)の場合、最終的には「ゲリラ戦」(超接近戦!)になります。
そうなれば、長槍はまず役に立たなくなります。(とりまわせない!)
鉄砲なんてもってのほか!(弾こめ中に叩かれます)
ほぼ取っ組み合いの喧嘩のような状況になります。(武器あり柔道!)
そんな状況で有効なのは、刀で鎧のない脚や腕、首などをピンポイントで狙う攻撃になります。
つまり野戦の場合の、戦(いくさ)の戦い方はというと、
- 刀で兜と胴の間の首をピンポイントに攻撃する。
- 足などを攻撃して敵を押し倒し、脇差で首を刎ねる。
- 体力が落ちて動きが鈍くなった敵を押し倒し、脇差で首を刎ねる。
このあたりが野戦いくさの戦い方だと推測されます。
いかがでしたか?
少しガッカリする部分もありました。
戦(いくさ)はゲームやドラマで見るより地味だった!