皆さんこんにちは。
寒い冬には暖かい風。
暑い夏には涼しい風が出てくる「エアコン」(エアーコンディショナー)
僕はエアコン無しでは生きられない!と断言できる位「エアコン」に依存しています。
皆さん、
どうしてエアコンから暖かい空気や、冷たい空気が出てくるのかご存知ですか?
今回は、生活に無くてはならない存在になりつつある「エアコン」の仕組みについてお話します。
(小中学生でも理解できるような簡単な説明になります)
目次
エアコンの仕組み
エアコンの構造
まず、「エアコン」はどのような構造をしているのでしょう。
「エアコン」は、「エアコン本体」と「室外機」から成り立っています。

エアコンの室外機
「室外機」の中には『圧縮機』と『膨張弁』と『熱交換器』が入っています。
「エアコン本体」の中には『熱交換器』と『送風ファン』が入っています。
そして、「エアコン本体」と「室外機」は配管で繋がれていて、配管の中には『冷媒ガス』が入っています。

エアコンの構造 エアコン本体と室外機
ここまではいいですね?
この『圧縮機』やら『冷媒ガス』がどうなって暖かい空気や冷たい空気を生み出すのでしょうか。
本題に入る前に、エアコンの仕組みを知るうえで最も重要な物理の法則をご説明します。
ボイル・シャルルの法則
小中学生の方は、まだ習っていないのでそ~なんだ~程度でかまいません。
高校物理で習う『ボイル・シャルルの法則』とは、
気体を「圧縮」すると、その気体の温度が上がり、
気体を「膨張」させるとその気体の温度が下がる。
という法則です。
この法則と、『圧縮機』『熱交換器』のワードで“ピン!”と来た人。
恐らく、その“ピン!”は間違っていません。
簡単に言えば、
・気体を圧縮して気体の温度を上げる→「暖房」
・気体を膨張させて気体の温度を下げる→「冷房」
なんです。
事項はからは具体的な仕組みをご説明します。
媒体は『冷媒ガス』を使う
圧縮すれば温度が上がるのですが、身の回りの空気(酸素や窒素)を使うより、『冷媒ガス』とよばれる気化しやすい液体を使う方が効率が上がる為(気化熱も利用できる)
圧縮、膨張させる気体には『冷媒ガス』が使われています。
『熱交換器』で空気を温め・冷ます
いくら冷媒ガスの温度を上げたり下げたりしても、配管が熱くなったり冷たくなるだけです。
実際空気を温めたりするのは、『熱交換器』です。
実際エアコン内部に入っているものとは違いますが、熱交換器の写真を貼っておきます。
2本出ている配管に冷媒ガスが出入りし、フィンの温度を上下させます。

熱交換器
冷媒ガスが配管を通じて「エアコン本体」の『熱交換器』に入ることで、
『熱交換器』(フィン)の温度を上げ下げします。
そして、フィンの間に『送風ファン』によって風を送ることで冷媒ガスの温度に近い空気を送ることができるのです。
エアコンから暖かい風が出る仕組み
暖房の仕組みは簡単です。
1、圧縮機で圧縮して高温になった『冷媒ガス』をエアコンの『熱交換器』に入れフィンを暖かくする。
2、部屋の空気を『送風ファン』で『熱交換器』に送り、
フィンを冷ましつつ(熱交換)部屋内に放出する。
3、フィンから熱をもらった暖かい風がエアコンから出てくる。
という仕組みです。

エアコン 暖房の仕組み
エアコンから冷たい風が出る仕組み
暖房と違い、冷房の時はひと手間必要です。
ボイル・シャルルの法則を使って低温にする
冷房時も暖房の時と同じように最初は冷媒ガスを圧縮するところから始まります。
冷房なのに、なぜ高温にするのか?
それは「温度の低いもの」より「温度が高いもの」から温度を奪う方が簡単だからです。
35℃の水を20℃冷まして15℃にしろ!っといわれても出来るものではありませんが、
100℃のお湯を20℃冷まして80℃にしろ!っといわれるとどうでしょう?
出来ますよね?
空気の温度は夏でも35℃位。
おいておくだけでも温度はガンガン下がります。
風を送ればなおさらです。
高い温度なら身の回りの空気でも十分に冷やせる事。
これに『ボイル・シャルルの法則』を付け足すと、
夏の暑い空気でも部屋を冷やすのに十分な温度まで『冷媒ガス』を冷却できるんです。
先に説明した『ボイル・シャルルの法則』のなかに、
気体を「膨張」させるとその気体の温度が下がる。
というものがありました。
これは、一度高圧・高温にした冷媒ガスを元の圧力に戻せば、
常圧・常温に戻るということです。
つまり!!
高圧・高温にした冷媒ガスを冷まして、元の圧力に戻すとキンキンに冷えた冷媒ガスが出来上がるというわけです。
※10℃の冷媒ガスを高圧にして100℃になったとする。
これは10倍の温度変化です。
100℃の冷媒ガスを50℃まで下げるのは簡単です。
50℃まで下げた冷媒ガスの圧力を開放すると、-10倍の温度変化をするので、
その温度は5℃まで下がる。
エアコンから冷たい風が出る仕組み
エアコンの冷房の仕組みをまとめると、
1、圧縮機で圧縮して高温になった『冷媒ガス』を室外機の『熱交換器』に入れ『冷媒ガス』を冷却する。
(夏の暑い日に室外機の前に行くと蒸し暑い風が出てきます。あれは、高温の冷媒ガスを外気で冷ましているからです)
2、冷却された『冷媒ガス』を『膨張弁』で常圧に戻すことで、『冷媒ガス』はキンキンに冷えた状態になる。
3、キンキンに冷えた『冷媒ガス』をエアコンの『熱交換器』に送る。
4、冷たくなったエアコンの『熱交換器』のフィンの間に『送風ファン』で空気を送り部屋内に放出する。
5、フィンに熱を奪われた(熱交換)冷たい空気がエアコンから出てくる。
という仕組みです。

エアコン 冷房の仕組み
聞けばなるほど~と思いますが、何もない時代にこの仕組みを考えた人々って素晴らしい!!
日本では初めてエアコンが生産されたのは1935年。
今から80年程前ですが、まだまだ最近の出来事です。
人類の科学の進歩は目覚ましものがあります。
ひょっとしたら、僕がお爺さんになる頃には、
「昔は圧縮機を使ってたんじゃ」なんて言って、
今のエアコンの仕組みが、古い時代の“仕組み”になる可能性も十分に考えられますね。