“アスファルト”や“電柱”、“服”や“紙”など…
雨が降ったりして「水」に濡れるとそれらの色は濃く変化します。
日常的に当たり前のように目にする現象ですが、なぜ、水に濡れただけで色が変化するのでしょうか?
今回は物が水に濡れた時にその色が変化する現象の仕組みについて見ていきましょう。
色(物)が見える仕組み
そもそも、なぜ私たちは物の色の違いを認識出来るのでしょうか?
答えは、「光」があるからです。
当たり前のことですが、光があるから“物”が見えるのです。
電灯も無いような場所を真夜中に訪れたら何も見えませんよね。
“物”に「光」が当たることによって、「光」が反射し私たちの目に入ってきます。
その「光」の情報を私たちの脳が読み取ることで、『そこに“物”があり、〇〇色だ!』と認識できる訳です。
しかし、どれだけ「光」が当たったとしても、それを反射できなければその“物”は見えません。
つまり、「光」を反射しにくい“物” 程、暗く見え、よく反射する”物” 程明るく見えるといえます。
水に濡れるとなぜ色が変化するのか?
光の反射によって“物”が見えることはわかりました。
では、「水」に濡れると“物”にはどのような変化が起こるのでしょうか?
“物”が「水」と接触すると一般的には濡れます(染み込む・浸かる)
(水を弾く物もある)
水に濡れることでその“物”が本来持っていた「光」を反射させる能力が変化します。
「水」は光を吸収(散乱)させたり、屈折させたりします。
その結果、”物”が表面で乱反射させていた「光」の量が減ります。
つまり、”物”が濡れることによって、本来反射させていた光の量が減少するということです。(明度が変わる)

水に濡れると明度が変化し、色が濃く見える
電柱(コンクリート)やアスファルトの場合
一見ツルツルに見えるコンクリートでもたくさんの小さな空洞があります。
コンクリートが水に濡れることによって、その空洞が「水」で満たされます。
その結果、今まで 100 の光を乱反射させていたコンクリートであっても、光が「水」に吸収されてしまい 100 の光を反射できなくなります。
反射する光の量が減るということは、今まで見えていた色よりも濃く見えるということです。
布や紙の場合
布や紙でも同じ現象が起こっています。
薄い紙やテッシュペーパーをでとても簡単な実験も出来ます。
薄い紙テッシュペーパーを手に持ち、透かしてライトを見てみます。
当然、少し透けてライトの光を確認できるはずです。
では、紙に少し水を吸わせて同じことをしたらどうなるでしょう?
濡れていない紙より、濡れた紙の方がライトの光を確認しやすいはずです。
これは、本来ならば反射していた光が「水」に濡れることによって透過するからです。
光が透過してしまうということは、反射する光の量は減りますよね。
まとめ
水に濡れて色が変わるのは、
- “物”の色を確認できるのは、”物”が「光」を反射しているから。
- “物”が濡れると、「水」によって「光」の反射量が減ってしまう。
(水の光の吸収能力や屈折能力によって) - 光の反射する量が減るから色が変わって見える。
(反射の量が減り色が濃く見える)
という現象が起こっているんです。
つまり、
- 吸水性のよい“物” 程「水」に濡れた時に色が濃く見えやすい。
- 水を弾く材質の物は水に濡れてもさほどの変化はない。
ということです。
自由研究の題材として取り上げ、色々と実験してみるのもおもしろそうですね。