異常な性質をもつ「水」という物質

私たちの生活に欠かせない「水」。

この「水」は、他の物質と性質が大きく異なる点が多いことをご存知ですか?

今回は、異常な性質を持つ「水」についてです。

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『異常液体』

「水」は『異常液体』と呼ばれる物質の一つで、水以外には4種類しか存在しません。(ケイ素 等)

通常、液体が固体になるとその密度は増します。
これは、私たちの世界の物理の法則でもあります。液体状態より密度が増した個体はその液体に沈みます。
しかし『異常液体』である水はその法則が通用しません。

ご存知の通り、「氷」は「水」に浮きます。

日常的に観察できる現象ですが、これは極めて珍しい現象なんです。
もし、「水」が『異常液体』ではなく氷が水に沈む性質を持っていたとしたら、氷河期には地球上全ての水が凍りつき生命は絶滅していただろうと考えられています。

『熱膨張』

通常、物質は温度の上昇に比例して膨張していきます。
夏場に太陽に熱せられひび割れするコンクリートや、温めると開けやすくなるジャムのアルミ蓋、温度が上がることで膨張し上昇する水銀の温度計(←若い方は見たことないかも)もその例です。
逆に、温度をどんどん下げてやれば物質は収縮していきます。【絶対零度(-273.15℃)近くまで下げれば物質の体積はほとんどなくなってしまいます。】

しかし!「水」は違います。

「水」は0℃~3.98℃の温度領域ではその法則が逆転します。

つまり、100℃の水を冷やせば冷やすほど体積は小さくなり収縮していきますが、5℃以下になったとたん急に膨張を始めるということです。

「水」は、この不思議な現象がみられる数少ない物質の一つです。

『溶解力』と『比熱』

私たち人間を含む生命が今まで生存し続けられたも地球に「水」が大量に存在したからです。

「水」は『溶解力』が高く色々な物質を吸収します。(水溶)
その溶解力は金属をも溶かす力を持っています。
生命が一切存在しなかった地球上に生命をもたらしたのは「水」です。
「水」に溶け込んだ様々な物質が化学変化を起こし新たな物質を生み出して生命の素となりました。

そして、生命が生命を維持できる環境を維持しているのも「水」です。

飲料用はもちろんのことながら、地球に生命が生存できる環境を維持しているのは「水」のもつ『比熱』の高さのおかげなんです。

『比熱』とは、簡単に言うと熱し易さや、冷めやすさと思ってもらえればいいです。

「水」の比熱は 4.2 J/(g⋅K) です。 これは、1gの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量で、逆に1℃下がるときにはそれだけの熱量を放出するということです。(なたね油の比熱は 2.0 J/(g⋅K) )

この高い比熱のおかげで夏もそこまで気温が上がることはなく、夜になって太陽光が当たらなくなっても「水」から徐々に熱量が放出され大きな気温の差が生まれず生命の生存に適した環境を作り上げてくれているというわけです。

私たちが生きていくのに不可欠な「水」を大事に使っていきたいですね。

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