『知らなかったじゃ済まされない!』が、日本の法律です。
日本の法(法律)は
「憲法」
「民法」
「刑法」
「会社法」
「民事訴訟法」
「刑事訴訟法」
の6つからなります。
良く聞く「六法」というやつです。
すべて合わせて、10,000近い法令が定められていますが皆さんいくつ知ってますか?
物をとってはいけない!「窃盗罪」
人をだましてはいけない!「詐欺罪」
人の命を奪ってはいけない!「殺人罪」
などの当たり前のような法律は知ってて当然ですが、
中には“聞いてないよ~”と言いたくなるようなマニアックな法律も存在します。
知らなかった、、、。で罪に問われないように、
今回はあまり知られていない法律を少しご紹介します。
道路交通法違反
雨の日の車の運転中、
水たまりの上を走ってしまい汚水を人にかけてしまった場合、「道路交通法違反」
に問われる可能性があります。
道路交通法71条1項には、
ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。
とあります。
違反し、罪に問われた場合は五万円以下の罰金に処されます。
因みに、道路に明らかな欠陥があってそのせいで事が起きた場合、道路を管理している市町村が罪に問われます。
見通しの悪い夜の道路
ハイビームで運転中に対向車が来たのにハイビームを戻さなかった場合、「道路交通法違反」
に問われる可能性があります。
道路交通法52条2項には、
他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
とあります。
この時、警察官の命令に従わなかった場合五万円以下の罰金刑に処されます。
確かに、これは危ない。
後続車のハイビームも、バックミラー・サイドミラーと何も見えなくなってしまうので危険ですね。
気をつけましょう。
お友達とおしゃべりしながら、
自転車に乗って並列で走行した場合、「道路交通法違反」
に問われる可能性があります。
道路交通法第19条(自転車の並列運転禁止)には、
軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない。
と書かれており、違反すると二万円以下の罰金を科せられる可能性があります。
刑事法違反
レジで会計する時、
おつりが多いのを知りながら持って帰った場合「詐欺罪」
に問われる可能性があります。
刑法246条1項には、
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する
と書かれています。
また、
おつりが多いことを家に帰ってから気づいたとき、
それを申告せず懐へ入れてしまうと「遺失物等横領罪」
に問われる可能性があります。
刑法254条には、
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する
とあります。
どちらも非常に重い罪です。
日本人はおつりが出たとき確認せず財布にしまってしまう人が多いです。
これはお互いを信頼しているいい国!という訳ではなく、
『おつりが合っているか!(損をしてないか)』と確認してる人を見て、
けち臭い奴と思ってしまう風習があるから。
因みに僕は『WAON』『ICOCA』でショッピング
刑事特別法違反
米軍の軍服を真似て作り、コスプレをすると「刑事特別法違反」
になる可能性があります。
刑事特別法第9条には、
正当な理由がないのに、
合衆国軍隊の構成員の制服又はこれに似せて作つた衣服を着用した者は、拘留又は科料に処する
とあります。
そんなことする人居るのか、、、と考えてしましましたが、
やりかねないのは“ ハロウィン ” の時ですかね。
僕の地元は田舎でそんなんではしゃいでる人はごく一部ですが、都会では毎年盛り上がってるようです。
仮装の衣装のチョイスに米軍の軍服はNG!と覚えておきましょう。
軽犯罪法違反
働けるのに働かず、ホームレスになってその辺をうろついた場合、「軽犯罪法違反」
になる可能性があります。
軽犯罪法第1条4項には、
生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたものは拘留又は科料に処する
とあります。
うろついただけで拘留とは酷いです。
動かずジッとしてても何も解決しないでしょう?
仕事中、悪ふざけでちょっかいを出して
同僚の仕事の手を止めてしまった場合「軽犯罪法違反」
になる可能性があります。
軽犯罪違法第1条31項には、
他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者は拘留又は科料に処する
と書かれています。
仕事をしている同僚に“カンチョー!”なんてした日には、「軽犯罪法違反」と「刑法違反」(暴行罪)のダブルパンチを食らう可能性があるので注意してください。
軽犯罪法に違反した場合の科料は千円以上一万円未満です。
酒税法違反
飲み屋などで瓶ビールを注文した際、
ビールの栓を抜いて提供されるのにはわけがあります。
飲食店で提供したビールをお客さんが飲まずに持って帰ってしまった場合「酒税法違反」
になる可能性があるからです。
酒税法第9条には、
酒類の販売業又は販売の代理業若しくは媒介業をしようとする者は、政令で定める手続により、販売場ごとに所轄税務署長の「販売業免許」を受けなければならない。
とあります。
飲食店では『飲食営業許可』さえとればお酒(店内で飲むための)を提供することができますが、
酒類の販売は『酒類販売業免許』が必要になってくるので、免許なしでお客さんが持ち帰ってしまうと「酒税法違反」になってしまします。
お酒を仕入れる段階で、
食事の飲み物として提供するお酒なのか?
販売用のお酒なのか?
しっかり仕分ける必要があります。
つまり、酒類販売業免許を持っていたとしてもお客さんの飲み残しや空いてないボトルを持って帰ってもらうことは出来ません。
飲み会の席などで開けたてのボトルが残ってついつい持って帰って飲みたくなりますが、我慢しましょう。
郵便法違反
単身赴任の夫や、一人暮らしの娘などに仕送りすることがあると思いますが、
荷物の中に手紙を入れると「郵便法違反」
になる可能性があります。
郵便法第4条2項には、
日本郵便株式会社以外の者は、何人も、他人の信書の送達を業としてはならない。
とあります。
『信書』とは、差出人の意思をや事実を書いた手紙や証明書などをさします。
つまり、日本郵便以外の運送業者を利用して単身赴任中の夫に服を送る場合、
服と一緒に“最近〇〇〇があったので〇〇します”のような内容の手紙を添えてしまうと罰せられる可能性があります。
『信書』の基準はとてもアバウトで緩い法律ですし、
何よりバレようがない犯罪ですので滅多な事が無かったら罪に問われる心配はありません。
しかし、警察がその気になれば取り調べ等受けることになる可能性も十分にあります。
もし、「郵便法違反」で罪に問われてしまった場合、
3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられます。
最近は、というか10年以上前から電子メールやSNSが普及してます。
手紙をわざわざ宅急便で送ったりはしないので気にする必要ありませんね。
時効
法律違反ではありませんが、物の貸し借りにも時効は存在します。
「取得時効」という言葉を聞いたことありませんか?
民法162条には、
10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する
と書かれています。
つまり、善意無過失(悪気はなく過失もない)であれば、10年間物を借りたままでいると、借りていた物は自分の物になるということです。
そして、仮に悪意(ずっと借りて時効にしてやる!(-。-)y-゜゜゜)があった場合でも、20年間所有していれば所有権を取得でます。
因みにこれらの時効は、経過中に一度でも貸してる人間からの「返してくれ!」申請があった場合はその申請があった日から時効は最初からスタートします。
という訳で
、、、どなたかプレーステーション4貸してください 笑
著作権法違反
SNSやブログ、動画配信など行っている人が一番気をつけないといけないのが「著作権」ではないでしょうか。
日本では「著作権法」という、著作物などを保護するための法律が施行されてます。
著作物も『引用』なら使用しても構わないことになっていて、
著作権法第32条には
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
とあります。
『引用』と認められるためには、
引用したものが明瞭に区別されている必要があります。
引用符をつけるなどして、引用していることを明らかにします。
次に、主従関係が無ければいけません。
あくまで自分の作品(ブログなら記事)がメインでなければいけません。
映画を紹介するサイトの場合、記事の内容が映画のストーリーに沿って書いてるだけの記事内容なのに、映画のワンシーンの写真を引用符付きで掲載していても、引用と認められない場合が多いです。
そして、正当な範囲内での使用でなければいけません。
引用の必要が本当にあるのか?
正当な引用の範囲を逸脱していないか?
先の映画紹介のサイトで例をあげるなら、映画の主人公を紹介する為に写真を引用するのはわかりますが、主人公の生い立ちを多くの映画のシーンの画像で紹介する必要はないということ。
やりすぎは禁物です。
著作権違反は著作者が異議を申し立てた場合罪に問われる可能性がありますが、罰則が非常に重たい!
いくつか過去の裁判事例をご紹介します。
東京地裁平成25年5月17日判決
総合格闘技の試合を撮影した動画映像を、
著作権者の許諾なくニコニコ動画にアップロードした被告に対して、
1,000万円の損害賠償請求を認めた
東京地裁平成12年2月29日判決
「中田英寿 日本をフランスに導いた男」という書籍で筆者が、中田英寿の写真や、中学生時代の詩を許可なく記載したとして、
筆者に対して385万円の損害賠償請求を認めた
熊本地裁平成29年12月25日判決
人気漫画「ONE PIECE」の発売前の画像を無断でネットに公開した被告に対し、
懲役1年6ヵ月、罰金50万円を認めた
(同年12月8日にも同じような事件で同じ判決が下ってます)
Twitter等で“おいおい大丈夫か?”と思ってしまいそうな画像等が投稿されていますが、著作者がその気になれば罪に問われる可能性が高い犯罪行為です。
多くの場合は、宣伝にもなってるので著作者から訴えられることはありませんが、一応犯罪行為であることは自覚しておくべきですね。
アメリカには『フェアユース(公正使用)』という考え方があります。
無許可で著作物を使用しても、それが著作者の不利益に繋がらなければ著作権の侵害にはならないとする考え方です。
流石は “自由の国アメリカ” !
自由です!
因みに、アメリカでは履歴書に生年月日や顔写真を記載することは法律で禁止されています。
人種差別をなくすための法律ですが、その人の容姿や年齢に左右されず有能な人間を採用するスタイルは素晴らしい!!
『知らなかったでは済まされない』日本の法律。
義務教育の期間中にもう少し法律に触れる時間があってもいいのでは?
と思います。
最後に、映画「DEATHNOTE」の夜神総一郎さん台詞を引用させて頂いて締めたいと思います。
法律は完全じゃない。
法律を作った人間が完全じゃないから完全であるはずがない。
だが正しくあろうとした人類の努力の積み重ねが法律だ!
まさにその通りだと思います。
人間があるべき姿で生きていけるための完成された法律作りを日々目指していかねばなりませんね。