3歳頃から熱烈なファンになる子が出てくる“ダンゴムシ”
ダンゴムシはかなり身近な昆虫です。
さわったことはなくとも、一度は目にしたことがあるはずです。
どの昆虫にも言えることですが、ダンゴムシにも魅力がいっぱいです。
今回は、ダンゴムシの生態について、簡単な観察・実験方法と一緒に見ていきましょう。
ダンゴムシはなぜ丸まるの?
ダンゴムシの特徴といえば、指で触るとクルッと丸まることですよね。
ダンゴムシはなぜ丸まるのでしょうか?
ダンゴムシが丸まる一番の理由は、“外敵から身を守るため”です。
固い甲羅に閉じこもることで柔らかいお腹部分を守っているんですね。
しかし、ダンゴムシが丸まるのは外敵から身を守るためだけではありません。
ダンゴムシは“水分の蒸発を防ぐため”にも丸まるんです。
ダンゴムシは日中、直射日光が当たる場所にはなかなか顔を出しません。
枯葉の下や草むらの日陰に身を潜めて水分が蒸発しにくいようにしています。
乾いた甲羅の中に丸まることで体内の水分の蒸発を抑えているんです。
※実験・観察してみよう!
ダンゴムシを段ボールなどに乗せて、日光が当たる所と、影の所を半分半分にしてみよう!
ダンゴムシが、日陰部分に集中するのを観察できるはずです。
日の光だけでなく、熱にも敏感なので暖かい段ボール部分より冷たい段ボール部分に集まる習性があります。
段ボールをあらかじめ直射日光やドライヤーなどで半分だけ温めて観察してみよう!
※段ボールを熱する時は熱し過ぎに注意してください。250℃を超えたあたりから発火の可能性があります。
ダンゴムシが好きな食べ物は?
ダンゴムシは雑食性ですのでほとんどの物は食べます。
やはり中でも、枯葉やレタス等の自然に暮らしていても食べる可能性が高い食べ物のほうがよく食べたように記憶しています。
また、ダンゴムシは“カルシウム”を補給するためにコンクリートもごく少量食べます。
過去に、どの位食べるのか実験もしたことがありますが本当にごく少量なのでしょう…、0.1gまで測れる測りで計測しても変化はわかりませんでした。
更に精密な測り、更なる長期間で実験すればコンクリートの重量が減って食べたことを実証できるかもしれません。
様々な食べ物で実験することで意外な好物を発見できるかもしれませんね。
※実験・観察してみよう!
ダンゴムシを数匹捕まえて、一つの部屋に複数の野菜などを置いて“ダンゴムシが一番好きな食べ物選手権”なるものを開催しても面白いかもしれません。
一度に比較するのは3種類程度にし、勝ち抜きトーナメント形式で比較することで正確なデータが取れるかと思います。
私が過去(子供ですが)にやった時は、レタスが人気だったと記憶しています。
更に、ダンゴムシを始め、多くの昆虫達は枯葉等を食べて土を作っています。(土に還る)
1つの枯葉をダンゴムシに与え、枯葉が土に還る(ウンチ)様子を観察するのも少し感動しますよ。
交替性転向反応って?
ダンゴムシの一番おもしろい習性といえば、交替性転向反応(こうたいせいてんこうはんのう)ではないでしょうか。
交替性転向反応とは行動に関する習性で、
歩いてて障害物などにぶつかって右に曲がれば、次は逆の左に曲がることが多くなる習性のことです。
あんな小さなダンゴムシが直前に(少し時間がたっても)曲がった方向を記憶しているんです。
この習性は、交互に曲がることで行動範囲が広がり(同じ場所に戻らない)幅広くエサを探せたり、天敵から逃れられるためだと言われています。
生きるための習性って凄い!
※実験・観察してみよう!
ダンゴムシの交替性転向反応を利用して簡単な実験もできます。
段ボールでも厚紙でもLEGOブロックでも何でもいいです、簡単な迷路をダンゴムシの為に作ってあげましょう。
その迷路をダンゴムシに歩いてもらいます。
そうすると、ちょっとした工夫で様々な実験ができます。
- 交替性転向反応をすれば簡単に解ける迷路・そうでない迷路を作って違いをみる
- 暗い部屋で迷路をさせ、光で誘導・惑わせてみる
- 途中に大好きな餌を置いて交替性転向反応の変化をみる
- 迷路全体に傾斜をつける
などなど…、
やりすぎるとダンゴムシいじめのような気もしてきますが、ダンゴムシの習性を間近で観察できるかと思います。
因みに、最後に書いた“全体に傾斜をつける”では、およそ45度の角度位からダンゴムシはそこが壁だと認識するようで、交替性転向反応があまり現れなくなります。
ダンゴムシは寒くなると冬眠してしまいますが、この季節(8月)ならまだ身近で見る事ができます。
夏休みの自由研究のテーマに!お子さんとの夏の虫の観察に!
一人でも複数人でも実験・観察できます。
機会があれば、一度ダンゴムシと戯れてみてはいかがですか?